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タイトル考え中。MBTI、ソシオニクス、その他好きなことを自由に書いていきます。

【日記】藝大の卒展へ行ってきた。

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昨日、東京藝術大学の卒展というものに行ってきました。藝大生のお知り合いがいるので、それを見に行きました。観客の多さに驚きましたが、やっぱり期待を裏切らない面白さでした。

ところで作品といえば、私も中学生の頃、美術の時間に絵本を作ったことならあります(笑) 。それがまたものすごく恥ずかしい絵本なんですね…『黒姫』というタイトルで…。これを読んだ担任の先生に「お前は一体何を心に抱えこんでいるんだよ」と言わしめた迷作です。

で、それがどんな話かというと、闇の国のお姫様が光の国の王子様に恋をするという陳腐いやシンプル、陳腐ルなストーリーです。闇の国のお姫様――黒姫の姿は、光の国の王子様には見えません。光の国の王子様は、黒姫が命を助けてくれたことにも気づかず、光の国のお姫様と結ばれます。黒姫は嫉妬に狂い、一度は光の国の王子様とお姫様を殺そうとします。しかしそんなことができるはずもなく…。黒姫は悲しい現実を受け入れ、愛しい王子様の幸せを心から願います。そのとき黒姫はあたたかい光に包まれます。そして王子様が落ちていたハンカチを黒姫に手渡そうとする場面で、おわり。

幼い頃からアンデルセンの人魚姫が大好きだったのですが、それを意識しています…というよりなかなかのパクリですね。加えて、これを描いた時期に、好きだった男の子と友達が付き合い始めた。そのときの激しい感情も露骨に反映されています。嫉妬に狂う黒姫とはまさに私のことだったんです。

 

 

明るいところから暗いところはよく見えない。

真っ暗闇にいる黒姫は、誰からも見てもらえません。醜い感情すら気づいてもらえない。しかしそれは裏を返せば、暗闇でなら何をやっても赦されるということでもあります。

 

映画館が開演に際してゆっくりゆっくり暗くなっていくのは、何だかゆっくりゆっくり眠りにつくときの感じと似ています。人は眠りにつくときに主体化します。睡眠とは自分の居場所を確保してそこに身を委ねることだからです。だからゆっくりゆっくり暗くなっていく映画館は、私たちが主体化するために人工的に作られた拠り所と言えましょう。映画館は強制的に照明が落ち、強制的に夢を見せてくれます。つまり映画を観るとき、私は常に主体としてあることができる。暗闇を味方につけた私の視線は赦されるのです。

それがもし切断されるとしたら?

スクリーンを前にして、ゆっくりゆっくり暗くなっていくのを感じるとき、布団に入ったときのような安心を覚えます。始まる前にはあんなに気になった正面の観客の挙動も靴擦れの痛みも、いざ開演すれば気にならなくなるものです。しかし、何度も何度も目が覚めてしまうとしたら? 映像が乱れる。照明が点滅する。その度に正面の観客が目にはいる。靴擦れが痛み出す。そして夢の中でも、私の視線は、暗闇の中で赦されてきたあの自由な視線は、あちこちの光に翻弄され、定まることがありません。私は夢に入り込むことができないまま、何度も目を覚まします。不眠に苛まれる。不眠とは、自分の居場所を確保できないにも関わらずその場に縛りつけられること。不眠において、主体はバラバラに空中分解する。まるで罰を受けたように。

 

部屋を出ると、また暗闇でした。しかしここは、さっきまでとは違う、いつもの暗闇のようでした。愛しく優しい空間です。私は闇の中に1つのポスターを発見します。暗くてよく読めないので、ご自由にお使いくださいとある懐中電灯をありがたく使わせていただく。ようやく私の視線は居場所を得られる、ほっとしました。

しかしそれも束の間。私の軽はずみな視線が、光として立ち現れることになります。それは私の罪を告発するかのごとく、卑怯な私を責め立てるかのごとく。私は懐中電灯を持ったまま身動きがとれなくなり、思わずにやりとしてしまいました。私の視線はまたしても光に縛りつけられ、主体化を阻まれた。罰。またしても罰を受けたのでした。

 

闇の国では、あらゆる罪が闇の名の下で赦されます。全身を嘗め回すようなまなざしも、嫉妬も、殺意も。

人魚姫は人間界へと越境し、その代償として声を失い、しまいには泡になりました。一方、黒姫は、闇の中から光の国を妬ましそうに見ているだけです。何の代償も支払わず。

でも本当は、罰せられたい。自分の罪深さを誰かに知ってほしい。暗闇はあまりにも孤独だから。そういうわけで最後に黒姫は、自分を包み込む毛布のような闇を捨て去る勇気を出すのです。たとえそれが私をバラバラにして、水の泡に変えてしまうのだとしても。

 

「作品から見られている感じがして不快になる作品が好き。」

こんなことをよく言いますが、その理由はおおよそ上記のような感じだと思います。

今回、普段にも増して支離滅裂ですが、感想というものには鮮度があると思うので、ろくに推敲もせぬまま投稿してしまいます。後から読み返したらガバガバ論理に恥ずかしくなりそうですが。

そして最後に、私のフェチを刺激する作品を用意してくださり(?)、ありがとうございました。おかげでとても嫌な気持ちになれました。楽しかったです。おわり。

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